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努力はしても、しなくてもいい。

練習する意味ってなんですか?

私事ですが、この夏、念願だったアーサナにひとつ手が届きました!

私のアシュタンガ歴は10年以上、結構長いにもかかわらず、そんなにポーズを進めていません。6年ほどは仕事をしながらリフレッシュの範囲でレッスンに通っていましたし、何より、この鉄板のような硬い背中では、ハーフプライマリーが限界地点だと決めつけていました。(実際に、ストレートネック&ストレートバックの持ち主で、首肩凝りはもちろん、筋肉カチコチタイプです。)

仕事をしながら「隙間時間で太陽礼拝を練習」、時には「月1度のハーフプライマリー」といったダラダラとした練習でも、やがて続けていると体力がついてきて、なんとかフルプライマリーを行う持久力がついてきました。

本気になりだしたのは、マイソール高崎をオープンしてから。硬い体をどうにかしようと、レクチャー動画を見まくったり、シルク・ド・ソレイユのレッスンをするスタジオに行って毛細血管を切ったり(怖っ!)、鍼やら整体やらに通ってみたり、無茶な練習して肩を壊してみたり(なので、皆さんには絶対に怪我させません)。地道に自宅練習とレッスンに通う、淡々としたここ数年を過ごしてきました。

「その日」はいつかやって来る。

アシュタンガヨガの祖グルジの有名な言葉、"One day coming" にはいろんな意味が込められていますが、私の場合、このアーサナは努力してやっと来てくれたものです。「今年こそ!」「来年こそ!」と、年頭の目標に必ず上がるのは、このアーサナでした。

▲撮ってて良かった!踵キャッチできた瞬間は人生に一度きり。

「なんちゃって」でつま先を触るだけではどうしても嫌で、この先のポーズは各先生方にいただいたものも練習していませんでした。「このポーズができるまでは絶対に先に進まない」と自分で決めて、粘って粘ってようやくこの瞬間がやってきたのでした。

 

起き上がった瞬間、泣いてしまったのは、不思議と「できた喜び」のことではなくて、様々なアドバイスを与え続けてくれた師の言葉、励まし続けてくれたヨガ友の顔、練習することを許し続けてくれた寛大な旦那さんのあたたかな心のことを思わずにいられなかったから。(よく、カンヌ映画祭やなんかで、関係者一同に感謝の意を述べる俳優さんがいますが、まさにこの気分か!と思いました。)

▲初めて踵がつかめた日の翌朝の練習

できた初日は大興奮して、夜も眠れず・・(セカンドシリーズが神経系を刺激することが良く分かる出来事でした)また、「今日のは奇跡かもしれない。明日できるか心配」などと思って睡眠不足に(汗);結果、何度目かのトライではありましたが、1度コツを掴めたらできるもので、初日より落ち着いてカムアップすることができました。

努力はしても、しなくてもいい。

努力はしても、しなくてもいい。あなたがそれで後悔しないなら。

それに、このアーサナができたから誰かより偉い訳でも何でもありませんし、努力している自分に酔っている訳でも何でもありません。みんなに努力してほしい訳でもないし、努力する人がすごい訳でもない。世の中には多種多様な人がいて、柔軟性のある人ならすぐにできてしまうことを、数年かけて練習している人がここにいるだけ。別に「ストイック」なつもりもありません。本来、飽きっぽい私が夢中になってひとつのことをしている。そのことが自分で面白いんです。

 

天才肌の人もいるから、その人は努力とは無縁で良いし、「体が柔らかい」「身体能力がある」も、例えば「お金を持っている」「美人だ」「イケメンだ」というのも才能のうちで、それを思い切り受け取って、エンジョイしたらいい。

 

体の硬い人が努力で柔らかくなる人もいるし、骨格上、それが難しく諦めなければならないという方も中にはいるかもしれません。でも、それもそのまま受け取って、無理のないやり方を見つければいい。ただそれだけです。

 

でも、練習している姿を見て、私はいつもあなたのことを美しいと思います。

それは本当に息をのむほど美しい。真剣な眼差しと、体から発するエネルギーに満ち溢れていて。その姿を見ていると、なぜか満ち足りてきます。「どんな芸術作品よりも素晴らしいなぁ〜」なんて、皆さんの練習風景を毎日見ていて思います。毎朝キラキラしたエネルギーを目の当たりにすることができて、本当に私はなんて幸せなんだろう!と感じています。

 

私を指導してくださる先生方に、必ず言われることがあります。

"Enjoy your practice!"

"Have Fun!"

アシュタンガヨガって、体を整え、精神的にも強さを増してゆく。何より、ユニークなヨガ仲間達と過ごすディープな時間は格別です。人生にはこんな明るい光が必要。

 

だから、私も皆さんにはこう言いたい。

練習を楽しんで欲しい。

アシュタンガヨガを通して、この瞬間を、この一度きりの人生を!

 

With Big Love ♡ masami