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苦手アーサナ《スルーしちゃう人》と《立ち向かう人》

アジャストのことを少し。

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毎朝、みなさんの練習を見ています。

アジャストにつきっきりのこともあれば、「全く必要なし」という日もある。

念のため申し上げておきますが、アジャストは「してもらうもの」ではありません。

マイソールスタイルの練習というのは、あくまで自主練習ですから、自分で自分を発掘してゆく作業のことです。「ポーズが取れなくて悔しがっているな、アジャストに行かねばならない」ということはありません。それは、せっかくの挑戦を私が奪うことです。たまに、「先生がアジャストしてくれない」と愚痴を聞くことがありますが、それは「依存」と言います。(マイソール高崎で聞いたことはないけれども)。

練習方法にはコツがあって、「こういう風に教えてもらっていれば、もう少し早く進んでいたかも」という私の経験をお伝えしているつもりです。(早く進みたいかどうかは別として)それは、自分なりに練習してみて掴んだものです。

そもそも、アジャストが必要な人、そうでない人もいます。あなたの体の中で起こる変化に気づく時間ですから、好奇心を持って集中して練習していれば、それでいいのです。

面白い発見をしたのです。

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さて、そんな毎朝、みなさんの練習をつぶさに見ていたある日、面白い発見をしました。

「あれーっ!またプルヴォッタナアーサナ飛ばした!」なんて声がたまに聞こえてきます。その人はしょっちゅうこのアーサナを飛ばしてしています。なぜなら《苦手ポーズだから》。

ある人はこうです。「バックベンドがやって来る!来るぞー、来るぞー!」と(心の声)。なぜなら、こちらもまた《苦手ポーズだから》です。見ていて、こちらがドキドキするくらいです。

どちらも《苦手ポーズ》なのに、《スルーしちゃう人》と《立ち向かう人》、私の観察によると、完全に二手に分かれます。

《スルーしちゃう人》は、動きも呼吸も早い。あまり物事にこだわらないから、練習時間も短く終わる。

《立ち向かう人》は、苦手ポーズが近づいて来ると、それまで落ち着いてアーサナを深めていたにも関わらず、呼吸が早く浅くなる。いよいよそのアーサナにたどり着くと、大きな壁を乗り越えるべく、ストレッチをしたり、ため息をついたり、汗を拭いたり準備に余念がない。

どちらが良い悪いではないんです。面白いなぁ!と。《苦手ポーズ》を軽々となかったことにする人と、その苦難を乗り越えるべく練習する人。さて、あなたはどっちタイプかな?

心地よさを最優先に

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《スルーしちゃう人》は、器用にササッとやって終わっちゃう。こだわらないから、アーサナの出来・不出来も気にしない。でも、ちょっと待って!その瞬間瞬間、本当にそのアーサナを感じているだろうか?その効果を得られているんだろうか?アシュタンガヨガは、「こなせばいい宿題」ではないはず。

《立ち向かう人》は、まず大前提に「このアーサナをモノにしたい!」がある。目標を決めることは、猛スピードで目的地を目指す新幹線のようなもの。まずは、目標を決めずに「まずはやってみる」という手もある。私は電車に乗る時、「普通電車の鈍行になってもいいや」と思う。窓からの景色が楽しみだったり、30分くらい長く読書ができることに、喜びを感じたりする。ヨガの練習もそんな感じで付き合って行けたらいいなと思う。

どちらからも、アプローチする方向は、「心地よいと自分が感じる呼吸をしているかどうか?」そのことを最優先に練習してみる。《スルーしちゃう人》なら、もう少し落ち着いて自分を感じられるだろうし、《立ち向かう人》なら、体の緊張も抜けて嫌いなポーズが、いつの間にか好きになることもある。

いろんな性格の、いろんな体の、いろんな個性がマットの上で同じことに向かっている。

そのこと自体が面白いんだけどね!

インフルエンザでご迷惑をおかけしました。

また来週から、みなさんと練習できることを楽しみにしています!

See you on the mat ❤︎ masami